近年、全国的に増加傾向にあるとされる不動産相続に関するトラブル。
トラブルとなる原因のひとつに、「共有名義」への知識不足があるとも言われています。
この記事では、共有名義とは何か確認するとともに、トラブルを未然に防ぐ方法をチェックしていきますので、不動産相続を予定している方はぜひ参考にしてみてください。
共有名義とは?不動産相続に関わるメリット・デメリット
不動産の相続では、どのように遺産分割をするべきか、単独名義と共有名義のどちらにするべきかなど、いろいろと迷う点がありますよね。
共有名義で不動産を持つメリットとしては、すべての相続人が公平感な相続だと感じられること、不動産売却時に税金の控除額が上がることなどがあげられます。
しかし、すべての名義人の承諾なしに不動産売却ができないこと、相続が発生するたびに権利や手続きが複雑になっていくこと、不動産を活用しようとした時にトラブルに発展しやすいことなどが、共有名義で不動産を持つデメリットとなります。
相続における不動産には、共有という方法のほかにも、現物分割・換価分割・代償分割の3つの方法があります。
相続した不動産の名義をどうするか、またどのような分割をおこなうかについては、時間をかけてじっくりと検討するようにしましょう。
共有名義の不動産相続にはトラブルがおこりやすい?
相続した不動産を共有名義で所有する場合は、ちょっとしたことが引き金となって思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。
たとえば、不動産の売却・賃貸物件としての活用・リノベーションなどを検討した時に、共有名義人の意見が合わずにトラブルに発展してしまうこともありますし、毎年支払うこととなる固定資産税の支払いはどうするかといった税金に関することなどがトラブルとなることもあります。
これらのいざこざは、親族間の不仲などにもつながってしまう恐れがありますし、共有名義人となっている権利者が死亡することでさらに持ち分が細分化していく恐れもあります。
望ましくないトラブルを回避するためには、共有名義から単独名義への変更、生前の遺言書作成、生前に売却して現金化など、生前からできる対策を取っておくのがおすすめ。
また、生前に十分な対策が取れなかった場合などは、弁護士や司法書士などの法律の専門家に相談し、トラブルのない適切な対応が取れるようにしていきましょう。