空き家を相続する可能性がある場合は「相続放棄」を選択するのもひとつの方法です。
しかし、相続放棄をしても空き家の管理責任は残ってしまうため、物件によっては売却を検討してはいかがでしょうか。
今回は、相続放棄をはじめとした空き家を手放す方法について解説します。
空き家の相続放棄とは何か？
相続放棄とは、その名のとおり被相続人の遺産の相続権を放棄する行為を指します。
ただし空き家のみの放棄はできず、預貯金をはじめそのほかの遺産を相続する権利もすべて辞退しなければなりません。
また、相続放棄を選択するには、相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。
相続放棄が認められれば、空き家の相続権は次の順位の相続人へと受け継がれます。
空き家を相続放棄しても「管理責任」は残る？
空き家を相続放棄すれば、相続税や固定資産税といった税金を納める必要がなくなります。
しかし、たとえ相続放棄が認められたとしても、次の相続人が決まるまでの間は空き家の管理責任を負わなければなりません。
また、相続人が自分ひとりの場合や、相続人全員が相続放棄を選択した場合にも、管理責任が残る点に注意が必要です。
空き家を相続する者が自分以外に誰もいない場合、管理責任を免れるには家庭裁判所に申し立てて相続財産管理人を選出する必要があります。
相続財産管理人とは、相続人に代わって被相続人の遺産を管理・清算する人のことです。
相続財産管理人が選任されれば空き家の管理からは解放されますが、申し立て費用や相続財産管理人への報酬を支払わなければなりません。
相続放棄をせずに空き家を手放す方法
相続放棄には、空き家以外の遺産の相続権も放棄しなければならない、空き家の管理責任が残るといったデメリットがあります。
遺産の全容を把握したうえで空き家以外の遺産を相続したい場合には、空き家を相続したのちに売却か寄付のいずれかの方法で手放すことを視野に入れると良いでしょう。
たとえ築年数が古く建物自体の価値がない一戸建てであっても、土地に資産価値があれば予想以上の価格で売却できることもあります。
また、空き家の隣に住む方に売却を持ちかけるのも、ひとつの手です。
隣に住む方には空き家の購入によって家の敷地を広げられるメリットがあるので、交渉次第では購入を検討してくれるでしょう。
一方、自治体によっては空き家の寄附を受け付けているところもあるので、売却が困難なときは一度相談してみることをおすすめします。
まとめ
空き家を相続放棄しても、相続人に課せられる管理責任がなくなるとは限りません。
また、空き家以外の遺産の相続権もすべて放棄しなければならなくなるため、相続放棄を選択する前に売却できないかどうかを検討してみましょう。
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